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いわゆる明治維新以降、富国強兵・殖産興業の名のもと、日本は近代化を図り、
生活様式や政治経済制度に欧米の仕組みを導入しました。
第二次世界大戦後は、所得倍増政策を推進、工業化を進め、郊外に大規模工場や団地が立ち、
山間部にはダムができ、あちらこちらに送電線を張り巡らせました。
都市では建築様式が木造から煉瓦造り・石造りそして鉄筋コンクリート造りとなり、
都心には巨大な建物も建てられるようになりました。それは日本の発展、経済繁栄の姿です。

しかし、人々の生活を伝統から乖離させ、風景を一変させる結果の招来となりました。
急峻な山河を削り取り、長い海岸線を埋め立て、旧来の建物を取り壊して、
全国の風景は、都会でも田舎でも、画一的なものが多くなりました。
日本は復興と繁栄の過程で過去とは全く違う風景を作り出したのです。
このような日本の選択の結果は、実は日本の風土や歴史の中で形成された、
日本人の気質が本質的な原因かもしれません。
ただそうであっても、私たちは、失われた風景や建物、生活様式に懐かしさ、温かさを感じることも事実です。

いま私たちは経済成長が一段落し成熟した社会を迎える時代に生きています。
もはや経済的繁栄のみを追い求める時代は終わりました。
明治維新以後軽視してきた自然や古来の伝統に目を向け再評価し、
あるいは各地域に新しく芽生えた文化、つまり地域文化の独自性を保護・育成することで、
生活や心の豊かさを取り戻す時期がやってきたと考えます。
かかる観点から、とかく一つの価値観に支配されがちな日本社会において、
それとは別の考え方を提示し、日本人の判断に多様性を確保する役割が重要であると認識するに至りました。

このような役割を果たすべく、私たちはルネッサ地域文化振興財団を設立することにしました。
本財団は、地域独自の文化、殊に建物や建築様式、町並みや景観を保存、伝承することで
日本全体の文化の多様性を確保し、もって日本で暮らす人々の心と生活を
豊かにすることに寄与したいと考えています。